映画「最後まで行く」のおすすめ度・感想/綾野剛ヤクザ役上手すぎる

2014年に公開、大ヒットした韓国映画「最後まで行く」の日本版リメイク作品。とある事件をきっかけに人生が闇に落ち始める刑事と、それを追う監察官。年末の4日間に繰り広げられる泥臭くてバイオレンスなクライム映画。

ゴリゴリで男臭い刑事が合う岡田准一と、リミッターが外れた演技が恐ろしい綾野剛、ヤクザ役に柄本明という日本の強いキャスト陣ですが韓国映画らしさも残った作品です。

映画「最後まで行く」のあらすじ

https://youtu.be/q0OYbBMv184

12月29日の夜、刑事の工藤(岡田准一)は危篤の母の元に車を飛ばしていたが、上司からの電話で所属課とヤクザの癒着に調査が入ることを伝えられる。さらに危篤の母が亡くなってしまった連絡が妻(広末涼子)から入り、急いで向かおうとするが、飛び出してきた人を轢いてしまう最悪の連続で物語が始まる。急いでトランクに死体を詰めて家族がいる母の元へ。死体の隠ぺいのために母と共に火葬してしまおうとするが、「お前は人を殺した。知っているぞ。」というメールが届く。送ったのは県警本部の監察官:矢崎(綾野剛)で、工藤はそこから追い詰められまくる。年末にかけての96時間で泥沼のように抜け出せなくなっていくクライムサスペンス。

映画「最後まで行く」の作品情報

製作年2023年
公開日2023年5月
上映時間118分
監督藤井道人
オリジナル脚本キム・フンソン
脚本平田研也、藤井道人
キャスト岡田准一、綾野剛、広末涼子、磯村隼人、駿河太郎、柄本明など
製作国日本

映画「最後まで行く」の登場人物(キャスト)

工藤祐司:岡田准一

工藤は埃原署刑事課。母が経営するスナックの客である仙葉久美の組長とつながりがある。妻の美沙子とは別居中。作品を観ているとなんだか感情移入してしまうが、結局はずっとくそ野郎。

矢崎孝之:綾野剛

県警本部監察課。出世のために県警本部長の娘と結婚し、本部長の言いなりのように動いていたが、思うようにいかず事態が悪い方にばかり転ぶため気が狂ってくる。

仙葉泰:柄本明

仙葉組組長。工藤とは昔から付き合いがある。金さえ貰えるならどんな仕事でも手段選ばず請け負う。

尾田創:磯村隼人

今回の事件の発端でもある人物。大きな金の入った金庫のカギを握っている。矢崎に世話を見ていてもらっていたようだが、どこの繋がりなのか不明。

工藤美沙子:広末涼子

ほぼ出てこないし、役どころとして重要でもない。が、工藤にとっては大事な妻。

映画「最後まで行く」の見どころ

見どころ①綾野剛演じる矢崎の狂いっぷり

この作品で一番良いなと思ったのはこれです。とにかく怖い。冷静沈着な面と、リミッターが外れたような残虐さをもつ面の2面性がより怖い。言葉数が多いわけではないし、派手なアクションシーンがとても多いわけではないのになぜあんなに狂気じみているのでしょう?藤井監督と綾野剛は映画「ヤクザと家族」でも共に作品作りをしていて、この役になったというのが少し納得要素。

見どころ②工藤と矢崎は似てる?

追われる工藤と追う矢崎ですが、言ってしまえば二人ともくそ野郎です。出世のために県警本部長の娘と結婚し、本部長の言いなりになる矢崎。自分が都合よく過ごせるようにヤクザと繋がっている工藤。事件に巻き込まれたことは二人とも偶然のように思えますし、どちらも真剣に追って追われていますが行きつく先は同じ。最後は二人の世界になるところが見どころです。

見どころ③展開の早さ

冒頭から次々と工藤に災難が降り注ぎ、そこからハイスピードで話が進んでいきます。12月29日の夜から4日間、96時間の間の話がぎゅぎゅっと詰まったスピード感も楽しみやすい点かと思います。

映画「最後まで行く」の評価

映画「最後まで行く」の個人的なおススメ度合いは、★★☆☆☆です。

綾野剛、岡田准一どちらかが好きな人はまず楽しめると思います。そして、クライム映画が見たいけれど、軽く観やすい作品がいい方にもおすすめです。

おすすめポイントとしてはやはり綾野剛の演技ですね。私は映画「カラオケ行こ!」の直後にこれを見たので余計に演じ分けに驚愕しました。これだけでも十分観る価値はあると思います。

そして、災いばかりのクライム映画ですが若干親しみを感じてしまう主人公のキャラクターや、クスッと笑えるシーンなどもあるためどんな方にとっても観やすい作品です。

一方で、狂気さやバイオレンスさが好きな方、もしくは心を動かすような強いストーリー性を好む方だと物足りなく感じる気がします。

映画「最後まで行く」の感想

しつこいですが、やはり綾野剛すごいな!の一言ですね。岡田准一の演技も好きですが、本作や「ファブル」のような裏組織で戦うようなものより「図書館戦争」「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」のようなたくましく、頼りたくなるようなキャラクターの方が好きです。

内容も、えぇっ!!とびっくりするような派手シーンもありましたが全体的になぜかあっさりしていてグロテスクさが薄く感じました。もっと黒くてもっと残虐的な方が面白そうに感じたので、この辺は韓国のオリジナルの方が面白そうだなと、、。逆に日本らしさといえばなんでしょう。どの部分で韓国に勝てるクライム映画要素が出せるのか私にはわかりません。

尾田と矢崎の関係と、そこに仙葉が絡んでくる感じもいまいち私には理解できず、、(作中にあったのかもしれませんが)、ラストもなんだか腑に落ちないまま終わりました。意外~!!というほどの展開でもないし、それにしてはやっぱりあっさりしている描き方で、うーん。派手なシーンもあるからこそ余計に、ダイナミックにしたいのかさっぱりしたいのか分からず特に観終えた後に何の感情もわかない映画でした。ちょっと残念。

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