東野圭吾の多層トリックが敷かれたミステリー小説の映画化作品です。登場人物が舞台俳優たちという設定によって、どこまでが彼らの演技なのか?という疑問も楽しめる作品です!
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映画「ある閉ざされた雪の山荘で」のあらすじ
劇団水滸の新作舞台の主演をめぐる最終オーディションが、東郷先生によって山荘で開催される。招待されたのは日本を代表する劇団に所属する6人と、異なる劇団から参加した久我。4日間かけて行われるオーディションで彼らが演じるシナリオは「大雪で閉ざされた山荘」で起こる連続殺人事件。連絡手段も奪われた状態で1人ずつメンバーが消えていき、どこまでが現実でどこまでがオーディションなのか区別がつかない中、不安も不信も募り始めて、、、というハラハラミステリー
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の作品情報
製作年 | 2024年 |
公開日 | 2024年1月 |
上映時間 | 109分 |
監督 | 飯塚健 |
原作 | 東野圭吾 |
脚本 | 加藤良太、飯塚健 |
キャスト | 重岡大毅、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太郎 |
製作国 | 日本 |
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の登場人物(キャスト)
久我和幸:重岡大毅
唯一、異なる劇団からの参加者。明るい性格の裏に何か事情がありそうな雰囲気も匂わせる。同劇団じゃないからこそ俯瞰的にみんなを見てもいます。
重岡くんは本作品が映画初主演。現場では完全なムードメーカーかつ気遣い屋と座長にぴったりのキャラクター^^
本多雄一:間宮祥太郎
落ち着いて頼りがいのある劇団のトップ俳優。ストーリー展開には必須の人物。
間宮くんは1993年生まれの重岡君の1個下で、役同様に華があり頼もしい印象。「ナンバMG5」でエランドール賞新人賞受賞。
中西貴子:中条あやみ
割と周りを見ている、どちらかというと控えめで協調性もあるけど俳優としてのプライドや人としての倫理観はしっかり持っているタイプ。
中条あやみちゃんは1997年大阪生まれ。番宣にシゲと間宮君と出てるときも明るくて面白くて現場が楽しそうだった印象。
田所義雄:岡山天音
田所はクセがあるタイプで、恋愛面は気持ち悪いけど本質的に嫌な奴ではなさそうに見える役(?(笑))
天音君は1994年東京都出身。「ポエトリー・エンジェル」で第32回高崎映画祭最優秀新進男優賞、「愛の病」でASIAN FILM FESTIVAL最優秀男優賞を受賞。個人的にはドラマ「日曜の夜くらいは…」の時の皆を見守りつつ一緒に楽しんでいる役でとても好きになった俳優さんです。
元村由梨江:西野七瀬
お嬢様で親が劇団に出資していることで東郷先生に贔屓されているためか、皆と異なる空気をまとっている。思っていることが表には出てこないタイプ。
1994年大阪府出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションを経てデビュー。「狐狼の血 LEVEL2」で日本アカデミー賞受賞
笠原温子:堀田真由
強い女!という感じで、わがままで、思ったことは口に出す。手段は択ばず意思を貫くタイプ。
1998年滋賀県出身。2014年「アミューズオーディションフェス2014」でWOWWOWドラマ賞受賞。non-noのモデルやゼクシィのCMにも出演。今はドラマ「アンチヒーロー」に出てますね^^
雨宮恭介:戸塚純貴
劇団リーダーらしい。元村と付き合っていて、原作では割とモテたみたい(?)。逆にそれがなければ影が薄い役になりそう。
1992年岩手県出身。ドラマ「花ざかりの君たちへ 〜イケメン☆パラダイス〜2011」で俳優デビュー(知らなかった!)ドラマ「虹色のチョーク」や、「だが、情熱はある」の演技とても良かったですよね。幅広く活躍されている俳優さんです。
麻倉雅美:森川葵
劇団水滸のトップ女優で、圧倒的な演技力を持つ。一方で、オーディションではなぜか落とされてしまい、この最終オーディションにはいないはずなのに….あからさまなキー人物
1995年愛知県出身。2010年に魅すセブンティーングランプリ。そこから多くの映画、ドラマに出演。バラエティの印象で本当に何でも起用にできる女優さんなイメージ。映画「賭ケグルイ」でも、今回でも、少しヒステリックだったり精神かき乱されている役がハマる気がする(笑)
本当に全員歳が近くて、様々な方向で経験を積んでいる俳優さんたち。現場の雰囲気も良かったようで、インタビューでその関連のことを話している場面も多く観られました。せっかくなので少し長いけど全員紹介。
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の見どころ
見どころ①演技の演技をする役者たち
登場人物が全員舞台俳優という設定の為、演技の演技をしている場面が面白かったです。”舞台”俳優たちのため、声の出方がはっきりしていたり動作が分かりやすかったりと特徴を感じられることもあれば普段の姿のように見えるところもある。
後の多重構造の部分とも関連しますが、一体どこまでが演技なんだ??と思わせる要素の一つでした。演じるの難しそう~~~~!
見どころ②多重構造(ネタバレ要素有!)
これは、ストーリー内では3重構造になっています。
- 最終オーディションの名目で集められて、次々と殺人事件が起きる演技をする層
- 本多と麻倉が結託して、麻倉の恨みを晴らすために偽のオーディションを開催。実際に事件を起こす層
- 本多と事件の被害者が、2層目がうまくいっているように見せかけるために事件を演じる層
ここまではしっかり描かれるんですが、口コミなどで話題になっているのはラストシーンで匂わせられる4層目。
- これらの全ても含めて舞台脚本だったのでは?
という層です。ラストシーンは、舞台に切り替わり③までを演じていたかのように立ち上がりカーテンコールが鳴るシーンです。これが、③までは現実であり、それを踏まえて脚本にしたのか。はたまたすべてが演技だったのか。ここが受け取り方で変わる面白い点だと思います。
⇒個人的には、見どころ①で述べた舞台演技が出ているポイントを考えると、全てが舞台演技じみたわけではなかったため、実際の出来事を脚本にしたパターンだと推察しました。
見どころ③豪華な同年代キャスト
まず、全体出てくるキャスト数が絶妙な8人という数。なのに出演者のほぼ全員が主役級に目立っていて、ミステリーなのに始めに死んだ人の存在感もある。こういう作品って意外と珍しい気がします。
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の評価
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の個人的なおススメ度合いは★★☆☆☆です。
東野圭吾原作のミステリー実写化、豪華なキャスト陣という惹きつけられる魅力要素は大いにあります。ただストーリーの内容や構成に関しては、面白い!!!派と、なんか残念、微妙。派とくっきり分かれている印象です。私は圧倒的校舎でしたので、★も2にしてしまいました。
日本ドラマっぽいミステリーが好きな方にはお勧めできるかもしれない。豪華なキャストで、グロテスクなシーンもなくしっかり種明かし(?)的なことをしてくれます。一方で、東野圭吾や緻密なミステリーが好きな人には期待せずに観て感想を教えてください!という感じですかね。構想の部分の面白さは残っているものの、どこか流れるリズムや”本気度”のような熱量が他の実写に比べて浅い気がしました。
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」の感想(ネタバレ有)
いや~ちょっと残念でした。好きな俳優さんばかり出ているからという理由だけで期待せず(内容も知らなかったので)観ましたが、悪い意味で期待通りでした。
まず、3段構造になっているのは面白かったです。でも、そこにたどり着くまでの過程のドキドキやハラハラを感じずに熱が冷めてしまいました。なんかもうなんでもいいな~というスタンスで入ったネタバラシ~ラストシーンでしたので、感想としても「へぇ」と響かず、、、もっと、いかにもオーディションのために演技しています!もしくは、おいこれ現実か?という不安感を煽る演出が欲しかったです。
あと疑問を感じた点としてはやはり「久我お前誰なん?」ですかね。
久我だけ違う劇団から参加している分には大きな違和感はなかった。けど、1人だけ最初に山荘に着いていたり、闇ありそうな感じをチラつかせてくる割には彼のアイデンティティは特に関係がなく…色んな細かい設定いるかな?と不思議
東郷先生の使われ方もよくわからなかった。事件の発端になった出来事は温子が悪いように書かれているけど、確かに性格は悪いが突飛ばしたりしたわけではなく不慮の事故であることに変わりはないし…先生のやり方が悪いのも問題だよね??という違和感。そして東郷先生の音声をわざわざ流す必要ある??という疑問。この辺もしっくりこなかったなあ。東郷先生が出てこない当たり、彼氏が浮気しているのを知って相手の女にばっかり悪口言うタイプの集まりですかね^^?
ただ、キャスト陣の演技は良かった。特に森川葵ちゃんの精神乱れる演技と天音君の気持ち悪さ(笑)役者を演じるのも難易度が高そうだし、その辺も楽しんで観ることが出来た点です^^
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