映画「カラオケ行こ!」のおすすめ度・感想/やんちゃと真面目コンビ最高

映画「カラオケ行こ!」のあらすじ

https://youtu.be/TfPKOSpura0?si=30LcvTucs50_Iakl

中学3年生、合唱部部長の岡聡実くんは、突然現れたヤクザ成田狂児に「カラオケ行こ」と誘われて、歌を教える羽目になる。狂児は組のカラオケ大会までに歌を上達させないといけないくせに難易度の高いX JAPANの「紅」を熱唱。真顔で狂児に正論アドバイスをかましていく聡実君が面白い。一方聡実くんは、部長として最後の見せ場である合唱祭を控えつつ自分の声の変化に戸惑っていた。中学生の青春も、中学生らしくない大人びてシュールな画もヤクザとの謎の関係も全部ちょっと楽しい作品です。

映画「カラオケ行こ!」の作品情報

製作年2024年
公開日2024年1月
上映時間107分
監督山下敦弘
原作和山やま
脚本野木亜紀子
キャスト綾野剛、齋藤潤、芳根京子、橋本じゅん等
製作国日本

映画「カラオケ行こ!」の登場人物(キャスト)

成田狂児:綾野剛

四代目祭林組の若頭補佐で、X JAPANの「紅」が十八番。聡実くんをカラオケに誘い、歌の先生として素直に歌を練習する。素直さや物わかりの良さが聡実くんに受け入れられたポイントではないかと思い、ヤクザとはいえこういう近所のお兄ちゃんに憧れてしまいました。

岡聡実:齋藤潤

中学3年生で、強豪(?)合唱部部長。真面目でおとなしくて部員にも慕われている。が、変声期にとまどい合唱部での振る舞いも悩み始める。一方で狂児に半強制的に歌の先生にさせられているけれど、学校に来ると怒ったり突き返したりするあたり神経ずぶとすぎる。意外とこういうクソ真面目タイプの子は、クソ真面目すぎて怖いもの知らずなところもありますよね。個人的には、真面目な秀才タイプ(勉強への言及はないけど)・お顔が綺麗・大阪弁・ヤクザにもズバッというというキャラ設定全てツボ。

齋藤潤君は、2007年神奈川県出身の16歳で、トリリオンゲームにも出ていたそう。見てたけど見おぼえないな、、本作では監督や綾野剛が参加したオーディションで勝ち抜いたそう。

森本もも:芳根京子 合唱部の能天気な先生(笑)

組長:北村一輝 祭林組の組長、カラオケ大会は組長の誕生日に主催。趣味で入れ墨を彫る。

中川:八木美樹 合唱部副部長。面倒見が良くて聡実くんのことや部活のことを気遣ってくれる。(マドンナ!)

和田:後聖人 合唱部の2年生。合唱にアツくて、部長が最近怠けているように見えて悔しい。

栗山:井澤徹 映画部。聡実くんと映画を観ながらのんびりおしゃべりする時間を過ごす。シュールで大人で良い。大人に見えるけれどリアルな大人に出来ない時間の過ごし方と空気感。 

映画「カラオケ行こ!」の見どころ

見どころ①聡実くんの毒舌

聡実くんはヤクザが相手でビビっている割には、普通の人相手でもためらうようなきっぱりした言葉を投げてきます。上司からこれやってね。とスマートに書類を渡されるように言葉をくれることもあれば、凄腕の射手のように確実にすっっと刺してくることもある。そして端的でわかりやすい言葉選びでアドバイスするあたりでも頭の良さが感じられて良いです。そして、それを素直に聞いたりちょっと傷ついちゃったりするヤクザたちがかわいく見えてきます。

見どころ②嚙み合わない演技

本作はヤクザと真面目な中学生のコンビであり、ありえないけれどありそう。という絶妙な関係を描き出しています。俳優陣は同じものを作るために噛み合わ去っていくことが通例ですが、それをあえて外さなければならない難しさを感じていたそうです。(CREAのインタビューより)確かにとても難しそう。でも、齋藤君が撮影後に、綾野剛さんが主役として一緒に歩いてくれたと語っていたり、綾野剛は先程のインタビュー内で、齋藤君と聡実くんの魅力をみんなで描こうという想いを現場の皆が持っていたと語っていて、とても良い撮影現場だったんだなとほっこり^^

見どころ③中学生の青春

本作は、聡実くんと狂児の友情物語でもありますが、合唱部の和田くんと聡実くんと友情物語でもあります。きっと聡実くんを一番に慕っているけれど、最近の様子を見て不満が募る和田くん。そして両者の気持ちを理解しつつ、二人の気持ちのやり場を設けてくれたり居場所を守っていてくれる副部長の中川さん。最後の展開も青春すぎて眩しい!くどくなく、柔らかくて温かい青春ストーリーも必見。

映画「カラオケ行こ!」の評価

映画「カラオケ行こ!」の個人的なおススメ度合いは★★★★★です!

ヤクザが主役なのに、柔らかくて温かい青春映画って少し意味が分かりませんが、それが成立しているのが本作品です。ごつごつのヤクザ物が好きな人からしたら物足りないかもしれない。派手なアクション、ドラマチックな展開が好きな人からしても物足りないかもしれない。でも、中学校やカラオケって誰しも経験のあるものがテーマなので触れやすいと思います。

原作を描いた和山先生の作品の中にある「夢中さ、きみに。」も大好きなドラマだったので、なんだか納得しました。日常のさりげないもの。何気ないことを温かく感じさせてくれる作品を描いてる方なんだな。それがしっかり反映された本作。是非!

映画「カラオケ行こ」の感想(ネタバレ有)

個人的にとても好きな作品でした。好きな要素①は評価の部分でも書いた日常の取り留めないことを、ちょっぴり個性を混ぜながら温かく映し出してくれるところ。例えば、聡実くんが親が買ってきた傘を見て批判したらお父さんが悲しそうな顔をして聡実くんが焦るシーン。どちらの気持ちも分かるな~。

あとは、和田くんが聡美くんが合唱部に来ないで映画部に行っていることに抗議しに来て、投影機を壊しちゃったときも。俺は悪くない!とかお前が悪い!とかそういう言い合いなど起きず、和田くんは反省してとても落ち込んでしまい、中川さんに励まされていて、聡実くんはプレイヤーが安く買えるところに探しに行く感じ。そこで聡実くんがチンピラに絡まれて、狂児に助けられ&プレイヤーを買ってもらうところまで、全部人が人のことを想って進んでいるからほっこりするんだろうな。狂児が聡実くんに肘ついて食うな!って注意するところも好きだったな~

最後の方、むしゃくしゃしている聡実くんが狂児に元気のお守り投げつけるシーンなんて、愛おしいがすぎたので心の中でぎゃーー!と叫んでおりました。あ、あと聡実くんに歌を聴いてもらってたヤクザが大声出したことにビビった聡実くんが狂児の腕をつかむシーンでも叫びました。

あとは、合唱部の方は蔑ろにされすぎていて可哀そうだったな、シンプルに。え、そこで投げ出すんだ!という衝撃と快く卒業を送り出してくれる部員(というか和田)優しすぎるだろ~~という違和感はありましたね。ままとぱぱ、合唱祭見に来たのかな、どうしたのかな。

こんなのありえない。とか、いい風に見せているけどされどヤクザだ。とかそんなんいいんだよ!それで楽しいフィクションなんだよ!と思い、色々と騒がしい世の中で、エンタメの世界では好き勝手自由が生きられる場でありますように。という思想にまで発展したところです。また見たいし原作読みたい!

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